ガス窒化処理

ガス窒化処理法は1923年ドイツ・クルップ社のアドルフ・フリー博士によって発見されたもので 鋼の表面がアンモニアガス中で、α-Fe界域の低温(500℃付近)処理により極めて硬度の高い硬化層が得られます。 その後大戦を通じてその優秀性が認められ、現在広く応用されるようになりました。

窒化加工の特長

  • 窒化加工の特長
    硬さは鋼種により異なりますが最大HV1300になる物も有り浸炭焼入れ、高周波焼入れではHV830程度ですが、窒化用鋼専用銅(SACM645)ではHV1000~1100にもなり、窒化層の深さは最大で0.7mm以上にもなります。
  • [変形=小]
    処理温度が500~560℃とAI変態点より低いため組織の変化による変形が発生しにくいため、仕上げ代を少なくすることができます。
  • [耐磨耗性=大]
    耐磨耗性、耐焼付性、耐ハジリ性にも強い効果を示します。肌焼鋼(RC-60)の磨耗係数34、ステライト(RC-56)の45に対し、窒化鋼(RC-56)は3.4と優れています。
  • [耐熱性=優]
    窒化層はFe3N、などの窒化物から成り耐熱性に優れます。
  • [耐食性=優]
    窒化層の表面に生成する白層(ε層)は対アルカリ性を示します。

ガス窒化の表面硬さと窒化層深さ

窒化による寸法変化

窒化処理後の諸性質

最高硬度と窒化層の厚さ

窒化層の耐熱性

窒化前と窒化後も機械的性質

窒化前と窒化後も機械的性質